2017年05月17日

【巨人】菅野が高速魔球・ワンシームに込める日本球界への使命感

スポーツ報知 5/17(水) 5:00配信

 巨人がエース・菅野の快投で連敗を2で止めた。最速154キロで落ちる魔球・ワンシームを効果的に操り、8回を1失点。ハーラートップタイの5勝目を挙げ、プロ通算50勝に王手をかけた。打っては4番・阿部が初回、左翼ポール際へ先制の8号2ラン。歴代単独22位となる通算381号を放ち、菅野を援護した。阿部は5回に2点打を放つなど、4打点の活躍。投打の柱がしっかりと役割を果たした。試合時間2時間16分は、今季セ・リーグ最短だった。

 序盤にまいたエサが、抜群の効果を発揮した。エースと主砲の大勝負。軍配は菅野の「世界基準」の投球術に上がった。4点差の8回1死満塁、山田を初球外角スライダーで投ゴロに料理した。1、2打席目は徹底した内角攻め。懐を意識させて踏み込ませない配球に「完璧でした」。一塁線の弱いゴロを本塁にグラブトス。間一髪アウトにする一級品の守備力も見せ、この回無失点で切り抜けた。

 ヤクルト打線を苦しめたのは、直球と同じ球速でシュートしながら沈む魔球・ワンシームだ。早打ちの指示のもとに向かってきた相手に対し右打者内角、左打者外角のストライクゾーンに多投。「右にも左にも良かった」とバットの芯を外した。山田は初回の三ゴロ併殺、4回の初球三ゴロ、ともにこの球。5回の西浦の遊ゴロは154キロで膝元に落ちた。対角のスライダー系と巧みに使い分け、8回91球で圧倒。失点はバレンティンのソロだけだった。

 150キロ超えの直球(フォーシーム)を持つ菅野がなぜ高速魔球・ワンシームを投げるのか。投球の幅が広がるだけでなく、胸中には日本のエースの使命感、世界一への強い思いがある。

 「WBCで明確になったわけですから。動くボールに対応できなかった。もちろん基本が直球という考えは変わらないですが、そういう意識を持たないと、いつまでたっても日本の野球のレベルが上がらない。次は東京五輪がある。そういう考え方を世界に発信していかないといけないなと」

 WBC準決勝、日本は1―2で地元米国に惜敗。菅野は6回1失点と好投した一方、小久保監督も「動く球に対応できなかった」と振り返ったように、米国投手陣が当然のように操った「動く球」が強く印象に残った。世界一奪還へ、日本は日本、ボールが違うから仕方ない、と風化させたら進歩はない。打者も急に対応するのは難しい話だ。

 「黒田さん(元ヤンキース、広島)の著書にも、そういう意識を持たないとダメ、と書いてあった。ワンシームはファストボール。変化球じゃないし、かわす球でもない。自分が良くなったのもこの球のおかげ。今やっていることを成熟させることが将来につながるし、年を取ってからではできないと思っています」

 前回9日の阪神戦で4試合連続完封を逃し、初黒星がついたが、ともに世界を肌で感じた女房役・小林との共同作業で5勝目。リーグトップの防御率も1・78に向上した。バットでも5回に中前打を放ち、3割1分3厘の高打率だ。

 来週23日は甲子園で阪神戦。「絶対に前回やられた屈辱を晴らします」。世界レベルの技術と責任感で、2時間16分の省エネ試合を演出した。(片岡 優帆)

 ◆ワンシームとは 一つの縫い目を挟むようにして握る。高速シンカーのようだが、他球種に比べ縫い目に指がかからないため、軌道が不規則になりやすい。低めは沈み、高めは時に伸びたりするため打者には予測不能な魔球。指先が器用でないと制球が難しい。メジャーでは操る投手も多いが、日本では少ない。菅野の場合、140キロ中盤から150キロ台で、右打者内角、左打者外角への投球が多い。直球と区別がつかず、ゴロの凡打を誘うことができる。
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posted by 熱狂的ジャイアンツファン at 11:38| Comment(0) | 菅野 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする